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クレジット四半期アウトルック:FRBの勝利

2024年10月4日
ロベコ・ジャパン株式会社
賽は投げられました。FRBは大幅な利下げ(50bp)を決定し、インフレとの戦いに公式な勝利宣言をしました。今回の利下げを通じ、金融政策の引き締めによって経済に過度なダメージが生じることがないように、「市場の先を行く(ahead of the curve)」意向を表明したことになります。前四半期に労働市場がさらに弱含んだことに加えて、先行指標は米国経済の減速を示しています。

FRBは、失業率の急増を回避し労働市場のバランスをとることで、首尾良くソフトランディングを実現するというのが市場全体のコンセンサスであり、ロベコも同じ意見ですが、一方で、現在はポートフォリオのベータを引き上げるタイミングではないと考えています。失敗の許容範囲は狭く、8月初旬に経験したように、コンセンサスがわずかでも反対方向に振れた場合、市場は急激に転換する可能性があります。

金融市場の予測とは、景気後退を予測することではなく、コンセンサスの変化の方向性を見極めることです。2022年を振り返ると、コンセンサスは景気後退入りの方向に傾斜したものの、少なくとも米国においては、そのような結果になりませんでした。もっとも、景気後退入りの懸念が存在するだけで、大幅な弱気相場を引き起こすには十分でした。2023年に入ると、コンセンサスの転換に伴い、市場は上昇に転じることになりました。


<要点>

  • 米連邦準備制度理事会(FRB)の目標達成能力に対する市場の信頼は揺るがず
  • 中国の経済的課題がグローバル市場に与える影響は限定的
  • 強力なテクニカル要因が引き続きクレジット市場の力強い下支え

     

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