来週を考える | 2024.06.28
2024年6月28日
アリアンツ・グローバル・インベスターズ株式会社
世界の選挙ラッシュ:市場への影響は?
政治的期待に基づいた投資行動は、危険をはらんでいます。これを明確に示したのが、2016年の米大統領選挙でした。2016年11月7日夜に選挙結果に注目が集まると、市場は当初動揺し、S&P 500先物は夜間取引で5%も下落しました。しかし、翌11月8日の現物取引開始時には損失は急速に解消しており、引けまでに株価は堅調に1.2%上昇しました。
このことは、重要な教訓を含んでいます。第1に、大きな選挙の熱気の中では、市場のファンダメンタルズを見失いがちになるということです。第2に、政治指導者は経済的成果を誇示したがるかもしれませんが、彼らの手柄によるところは、一般に思われているほど大きくはないということです。
たとえば、米国株はトランプ政権下で70%近く値上がりしました。これは悪くない数字であり、現時点まで42%上昇を記録しているバイデン政権下のパフォーマンスを上回ることになりそうです。しかし、トランプ時代もバイデン時代も、株価のパフォーマンスはオバマ大統領の1期目やクリントン大統領の1期目・2期目ほどではありませんでした(「今週のチャート」を参照)。このことは、政府のリーダーシップは重要ではあるものの、時には他の材料の方が支配的になることを示しています。そうした材料には、外因的なショック、新しいテクノロジー、家計収支、金融政策、企業利益、レバレッジ、バリュエーションなどがあります。
アリアンツ・グローバル・インベスターズ株式会社
週次・月次レポート
– 来週を考える
– 日本株月次レポート
– 月次マルチアセットレポート
ピックアップ
よく見られている記事ランキング
-
年内「利上げ」はどこまで進むのか。日銀植田総裁発言を読み解く
Web限定 寄稿 市場見通し -
「掘って掘って掘りまくれ」でインフレは収まるのか、大統領就任式でのトランプ発言の影響を振り返る
Web限定 寄稿 市場見通し -
オルタナティブ投資 発展の歴史 第6回 ヘッジファンドの変遷(前編)
Web限定 オルタナティブ 寄稿 -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第22回アセットオーナープリンシプルで注目を集めるOCIOを徹底解説 後編:DB運用責任者がOCIOについて語る(仮想座談会)
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
日銀1月会合「利上げ判断」で嵐は起こるか?「歴史的な凋落劇」を引き起こした24年7月31日の利上げと徹底比較!
Web限定 寄稿 市場見通し -
野村年金ニュース解説 SRT、CRT、あるいはリスクシェアリング取引の投資機会と留意点
Web限定 企業年金 -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第22回アセットオーナープリンシプルで注目を集めるOCIOを徹底解説 前編:OCIOの基礎知識~多様な形態、採用するメリット、日本ではなぜ普及が進まないのか?
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第20回オルタナティブ投資のフロンティア「クレジット・リスク・トランスファー戦略」を解説する
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
注目を集める不動産新セクター、トリプルネットリース
Web限定 不動産 企業年金 金融法人 -
地域金融機関から注目集める新ソリューション「OCIO」とは何か?
Web限定 金融法人