グローバル債券マクロ・アウトルック:リスクオンの地合いながらリスクは残存
2024年3月28日
ロベコ・ジャパン株式会社
経済の「パーフェクトランディング」シナリオが全面的に織り込まれるなど、市場は“バラ色の眼鏡”を装着しているように思われます。また、ディスインフレ(インフレ低下)の勢いが弱まりつつあるという懸念が高まっています。その結果、短期ゾーンの金利水準には大幅なリプライシング(再評価)の動きが生じています。
しかしながら、インフレは緩やかな低下トレンドに戻り、今夏にはECBとFRBが利下げを行う環境が整うと予想しています。株式市場とクレジット市場には、非常に楽観的なシナリオが織り込まれているものの、経済の多くの分野に脆弱性が残存しているため、現在のバリュエーションを全面的に支持することはできません。実際のところ、足元でリスクオンの地合いが定着しているとはいえ、ダウンサイド・リスクが完全に消滅したわけではありません。ロベコでは、スティープナーのポジションを積み増す一方で、投資適格債やハイイールド債よりも高格付けのSSA債(ソブリン債、国際機関債および政府系機関債)やカバードボンドを選好しています。
要点
- リスク市場には「パーフェクトランディング」シナリオが織り込まれる
- 今夏に予想されるECB/FRBの利下げによってイールドカーブの正常化が促進される見通し
- 投資適格債/ハイイールド債よりもSSA債/カバードボンドを選好
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