国内外の投資環境は非常に見通しにくい状況が続いている。米国経済の動向や国内外の金利見通しなど頭を悩ませる材料に枚挙にいとまがない中、それでも資産運用を続けて行くうえでいかに市場を見通し、どのような点に着目していけばいいのか。グローバルに展開する資産運用会社ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ傘下で、株式や債券、マルチアセット、絶対収益管理など幅広い投資アプローチを手掛けるDNCAインベストメンツに話を聞いた。

DNCAインベストメンツ
ポートフォリオ・マネージャー
チーボー・ シャパティ氏
経済成長、インフレ、金融市場という3つの観点からお話しします。
まずグローバルな経済成長は、米国や中国の失速を主要因として若干減速しています。ただ全体として見れば非常にわずかな減速に過ぎないと見ており、実際に足元では米国の第2四半期のGDP成長率が改定値で3.3%から3.8%に引き上げられています。
インフレについては国・地域によって状況が異なります。欧州ではインフレが落ち着き中央銀行の目標とする水準に沿っていますが、一方の米国では中央銀行の目標である2%に対し、指標によっては2.7~2.8%と、やや高い状況です。
最後に挙げた金融市場の状況に関しては、株式市場、債券市場など全体的に非常に良いと言えます。日本を除くほとんどの国で中央銀行が利下げをしており、クレジットスプレッドも非常にタイトで、企業にとっては資金調達がしやすい環境です。