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AL-IN 15th Year Series 激動の年金運用15年史
第2回 年金制度の大激震①

前代未聞の年金詐欺事件と、厚生年金基金制度の実質廃止
2020年12月2日

創刊から15年目を迎えた弊誌『オル・イン』は、これまで企業年金を取り巻くさまざまなイベントとともに歩んできた。その15年の中で起きた象徴的な出来事や大きな変化にフィーチャーする本シリーズ。第2回は「年金制度」を切り口に、2012年2月に発覚した「AIJ事件」とその後の厚生年金基金制度の実質廃止への変遷を振り返りつつ、現在の企業年金の運用の高度化にいかなるインパクトをもたらしたのかを再確認したい。

総合型厚生年金基金を狙った前代未聞の年金詐欺事件が発生

「AIJ事件」と聞いても、ピンとくる読者は少なくなってきたのではないだろうか。2012年2月の事件発覚から8年以上が経過し、当時、企業年金の運用に携わっていた関係者もどんどん現場を去っているのが実情だ。

事件の概要を一言でいうと、AIJ投資顧問という絶対収益追求をうたう運用会社が、総合型の厚生年金基金を中心に100件近い顧客から預かった巨額の資産を消失させた詐欺事件である。同社経営陣などが刑事訴追され、事件に関するさまざまな報道もあるので、詳細はそれらを参照されたい。

事件が明るみになって以降、マスメディアでも「前代未聞の年金詐欺事件」として大きく取り上げられ、あたかも企業年金の運用全体がずさんな管理のもとで行われているかのような、誤解に基づく風評被害にあった関係者も少なくなかったという。

ここではこの事件そのものよりも、むしろ少なからぬ厚生年金基金がなぜ詐欺事件の被害に遭ってしまったのか。そこに至るまでの厚生年金基金の制度面の変遷や、時代とともに蓄積していった諸課題に着目したい。

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